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よくある疾患「脂質異常症」について

  • 4 日前
  • 読了時間: 4分

こんにちは。院長の遠藤芽依です。

今回は脂質異常症をテーマに書かせていただきます。

脂質異常症は、血液中の脂質バランスが崩れた状態を指し、主にLDLコレステロール(いわゆる“悪玉”コレステロール)や中性脂肪が高い、あるいはHDLコレステロール(“善玉”コレステロール)が低い状態を含みます。自覚症状がほとんどないため見過ごされがちですが、動脈硬化を進め、将来的に心筋梗塞や脳梗塞といった重大な病気のリスクを高める重要な生活習慣病の一つです。


なぜ脂質異常症が問題なのか

脂質異常症の最大の問題は、「静かに進行する」点にあります。血管の内側にコレステロールが蓄積し、徐々に血管が硬く狭くなっていきます(動脈硬化)。この状態が長く続くと、ある日突然、血管が詰まり、心筋梗塞や脳梗塞など、生活に大きく影響する病気を引き起こします。

特にLDLコレステロールが高い状態は動脈硬化の進行と強く関連しており、放置することは危険です。


原因と生活習慣の関係

脂質異常症の原因には、遺伝的な体質もありますが、脂っこい食事、運動不足、肥満、喫煙などの生活習慣と深く関係しております。また閉経された多くの女性の方も脂質異常症が出やすいです。

特に現代外食や加工食品の増加により、知らないうちに脂質や糖質を過剰に摂取しているケースも多く見られます。


治療の必要性

「数値が少し高いだけだから大丈夫」と思われる方も多いのですが、脂質異常症は長期的な積み重ねが問題です。早期からの対策が将来の健康を大きく左右します。

治療の基本は、まず生活習慣の改善です。

  • 食事:野菜や魚を中心に、飽和脂肪酸(動物性脂肪)を控える

  • 運動:有酸素運動(ウォーキングなど)を週に数回

  • 体重管理:適正体重の維持

  • 禁煙

これらの改善だけでも数値が良くなる方は多くいらっしゃいます。

しかし、生活習慣の改善だけでは十分でない場合や、心血管疾患のリスクが高い方には、薬物療法が必要になります。当院では、リスク計算機に年齢や喫煙状況、脂質異常や血圧の数値などを入力し10年間で大きな病気を起こすリスクを算出して、治療の必要性の参考にしています。


脂質異常症の主な薬の種類

脂質異常症の治療薬にはいくつかの種類があり、それぞれ作用の仕方が異なります。患者さんの状態に応じて使い分けます。

① スタチン系薬

最も広く使われている薬で、肝臓でのコレステロール合成を抑えることでLDLコレステロールを低下させます。動脈硬化予防の効果が高く、多くの研究で心筋梗塞や脳卒中の予防効果が示されています。

スタンダード、ストロング、スーパーストロングとランクがあり、それぞれ数種類ずつ種類があります。LDLコレステロールの高さによってご相談しながら薬を決定します。


② エゼチミブ

腸からのコレステロール吸収を抑える薬です。スタチンと併用されることも多く、より強力にLDLコレステロールを下げることができます。


③ フィブラート系薬

主に中性脂肪を下げる薬で、HDLコレステロールを増やす効果もあります。中性脂肪が高い方に適しています。


④PCSK9阻害薬

注射製剤で、LDLコレステロールを非常に強力に下げる新しいタイプの薬です。遺伝性の高コレステロール血症や、従来治療で十分な効果が得られない場合に使用されます。①から③の服薬でもコントロールが難しいケースで、内分泌代謝内科の専門医の先生にご紹介して、処方いただいています。

副作用について

飲み始めてから副作用が出てしまうこともあります。

飲み始めてから1か月程度で再度採血を行い、副作用の確認をいたします。

肝機能障害や筋肉が痛む症状が副作用として出ることがあります。


薬を始めることへの不安について

「一度薬を始めるとやめられないのでは」と不安に思われる方も少なくありません。確かに、脂質異常症は慢性的な疾患であり、長期的な管理が必要です。しかし、薬はあくまで将来の重大な病気を予防するための手段です。

また、生活習慣の改善が進めば、薬の量を減らしたり、中止できる可能性もあります。重要なのは「数値を下げること」ではなく、「将来のリスクを減らすこと」です。


まとめ

脂質異常症は自覚症状がないまま進行するため、健診での早期発見と継続的な管理が重要です。生活習慣の見直しを基本としつつ、必要に応じて薬物療法を適切に取り入れることで、将来の大きな病気を予防することができます。

気になる数値がある方や、健診結果で指摘を受けた方は、ぜひ一度ご相談ください。

 
 
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