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家庭医療とは、あなたの日常に寄り添う医療のかたち

  • nakame08157
  • 4月3日
  • 読了時間: 6分

更新日:4月16日



(1)家庭医療とは?

家庭医療とは、特定の病気や年齢、性別にとらわれず、地域に住む一人ひとりの生活に根ざした総合的な医療のことを言います。病気になってから治すだけでなく、未然に防ぎ、健康な日々を長く続けられるようサポートするのが特徴です。

私たちは家庭医療の5つの特徴として、家庭医療について以下のようにホームページでご説明しています。


(2)当院の家庭医療の5つの特徴

1. どなたでも —— 健康状態や性別、国籍、年齢に関わらず対応

家庭医療は特定の臓器や疾患などに限定せず、あらゆる方の健康をサポートします。当院では小児科を標榜しておりませんが、家庭医療の守備範囲は小さなお子さんから高齢の方まで、また日本国籍の方も外国籍の方も、性的指向や性自認に関わらず、どなたでもが原則です。地域の皆さんが安心して受診できるように努めていきます。


2. いつでも —— 病気の時だけでなく健康な時も

具合が悪い時だけでなく、健康な時にも予防や健康増進のためのサポートを行います。健康診断や予防接種など、病気になる前からの健康づくりを大切にしています。「これくらいのことで受診したら変かな?」などと思わずに、いつでもお気軽に来院いただけたら嬉しいです。


3. どんなことでも —— 患者さんを全面的に理解

病気のことはもちろん、ご家族や生活状況、感情面など、患者さんについて全面的な理解に努めます。単に症状を診るだけではなく、その背景にある生活習慣や社会的な環境までを考慮した診療を行っていきたいと思っております。


4. ご自宅でも —— 訪問診療・在宅医療の提供

必要に応じてご自宅や施設への訪問診療(在宅医療)も提供します。通院が難しい方でも医療を受けられるよう、またご本人さんの望む場所で、望むように過ごしていただけるように在宅医療にも取り組みます。


5. 地域住民として —— 地域の健康課題に向き合う

私たちは医療者であると同時に、皆さんと同じ地域に暮らす住民です。院長は3児の子育てをしている母親であり、チェロや読書が趣味の30代の女性です。そんな地域住民として、地域の様々な課題に一緒に向き合い、地域の方々と関わり合いながら、よりよい地域づくりに貢献していきたいと思います。

家庭医療の特徴
家庭医療の特徴

(3)家庭医療の根っこは「患者中心の医療の方法」

私たちは、家庭医療の根っこは「患者中心の医療の方法」にあると考えています。やや硬い表現のため、普段当院では「あなた中心の医療」という表現を採用しております。「患者中心の医療の方法」とは、医療者が患者さんの思いや背景を十分に理解し、ともに現在の健康課題の解決にむけて協働していくモデルです。

当然ながらこれは、一朝一夕に実施できるものではありません。患者さんと私たちとの継続的な関係性をベースとして、少しずつ形作られるものだと思っております。やや隠れた場所にある当院ですが、そういった意味でも、最適な場所だなと思っております。通りから一本隠れた場所で、かかりつけにして下さる地域の皆さんとの長いお付き合いをベースとして、「あなた中心の医療」をご提供できたら嬉しいです。


(4)当院での家庭医療の進め方

当院では家庭医療の進め方の特徴として、一般の方向けに、以下のようにホームページでご説明しています。

1. 患者さんについて丁寧に理解する

患者さんのお話を聴き、現在抱えている症状だけでなく、その症状への解釈や生活影響、来院に期待していること等の理解に努めます。ここでは少しだけ、解釈についてご紹介します。例えば腹痛で来院された方がいた時に、「その症状の原因として心当たりはありますか?」とお聞きます。すると「家族が同じような症状で~〜」ということから感染症が疑われることがあれば、「実は毎月一回くらい定期的に~〜」ということから、何か感染症以外の病気が想起されることもあります。診断への近道となることも少なくありません。


2. 患者さんのこれからを一緒に考える

私たちは現在の症状への対応だけでなく、これからの健康や生活についても患者さんと一緒に考えたいと思っています。短期的な治療目標ももちろん大切ですが、どんな時に楽しいと感じて生活されているか? いま悩んでいることは何か? そういったお話を伺いながら、長期的な視点でのお付き合いができればと思っています。


3. 長い関係性を築く

継続的なお付き合いから少しずつ関係性を築いていきたいと思っています。それによって長期にわたって患者さんの健康をサポートできると考えているからです。もちろん時間の経過とともに、健康状態も価値観も変化します。それは私たち自身も同じです。そんな時間を共にしていきたいと思っています。


4. 地域住民として自然に関わり合う

医療者と患者という関係を超えて、同じ地域に暮らす住民として自然に関わり合います。これまで診察室のなかで「昔はペンキ職人だったけど、病気で何もしていない」「絵を書いているけど、見てもらう機会がない」ーそんな声を何度も聞いてきました。ワークショップを企画してもいいですし、作品展を開いてもいいのだと思います。同じ地域住民として、皆さんの生きがいを応援して、癒しと応援の輪を広げて行きたいです。



当院での家庭医療の進め方
当院での家庭医療の進め方

(5)地域に根差した医院として

私たちは地域に根差した医院として、「健康の社会的決定要因」にアプローチしていきたいと思っています。「健康の社会的決定要因」とは、健康を規定する社会的な要因のことで、WHOでは以下の10個に分類しています:社会格差、ストレス、幼少期、社会的排除、労働、失業、ソーシャルサポート、依存、食品、 交通

ここではこのうちの社会的排除・ソーシャルサポートについて、例を挙げてご紹介させてください。技能実習生や外国人労働者の受け入れが増えておりますが、その皆さんはかかりつけ医をお持ちになられているか、気になって仕方ありません。またLGBTQ+の方々は、その性自認・性的指向を理由に受診をためらうことが多いとのデータも出ています。異性愛者であることを前提とした医療者の質問に傷つき、受診控えをされている方もいるのだと思います。LGBTQ+の方は日本人の13人に一人とも言われています。皆さんが安心して受診できる環境を整備していきたいと思っています。

私たちは地域に根差した医院として、既に存在している「健康の社会的決定要因」に対して、アプローチしていきます。そしてその解決のためには、医療の枠組みからはみ出して、地域の様々な方々と協力し、行動していく必要があると思っています。お力添えいただけたら嬉しいです。お気軽にお声がけください。


クリニックのある本町
クリニックのある本町

(6)まとめにかえて

今回は家庭医療とはどんなものか、そしてその実践のために私たちがどのような取り組みをしていきたいと思っているかについて、ご紹介させていただきました。皆さんのご参考になれば幸いです。

最後にお知らせです。2025年5月31日には映画「人生フルーツ」の上映会、6月1日には内覧会も予定しています。お手伝いしてくださる方も募集中です。ぜひお気軽に「よりみち」しにいらしてください。

 
 
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